りんごの湯

　最近食欲がない利用者さんの『天ぷらが食べたい！』という希望を職員が聞き取ってくれました。そして、どんな天ぷらが食べたいかメニューを見ながら伺っていると、

「私がねぇ～嫁に来た頃は盆やお祭りといったら、ずっと台所で天ぷらを揚げさせられたもんだ。さんざ揚げても自分の口には入らなかったから・・・。腹立つよねぇ～！。そんな嫁勤めを３０年もやってきたんだよ！」
と。いまどんな天ぷらが食べたいですか？と尋ねると、

「そうだねぇ・・・」
と考え込まれてしまいました。かぼちゃが採れたらかぼちゃもいいですよね。今が旬ですからと伝えると、

「かぼちゃは美味しいよねぇ」
と。同席していた他の職員が薄衣でサクッと揚げたのは美味しいですよねと伝えると、

「衣は厚い方がおいしいよ～！」
とすかさず反論されました。好みの天ぷらも千差万別ですね。では、揚げる時には皆さんに聞いて揚げていきましょうかと提案すると、

「それはめんどくさいよ。」
と笑われていました。

「ま、わたしはさんざ揚げたから見てるだけだよ。楽しみだ～！」
と早々と笑顔で姑宣言されホールへ戻られました。

ホールに居た職員から何をされてきたのか尋ねられると、

「姑の悪口さぁ」
とご満悦で答えられたとか。

これは食欲復活も近い？・・・かもしれません。